意識低い系の読書メモ

文学・会計学が中心

堀江貴文「ゼロ」

堀江貴文の「ゼロ」を読んだ。
特にホリエモンの信者でもアンチでもないのに、なんで読んだのか覚えていないが、たまたま読んだ。
言っていることは全然普通で、ポジティブで、おもしろかった。
まさに「啓発する」啓発書である。
 
結果を出すには、ストイックな努力でなく、ゲームのように「ハマる」こと。
 
「勉強でも仕事でも、あるいはコンピュータのプログラミングでもそうだが、歯を食いしばって努力したところで大した成果は得られない。努力するのではなく、その作業に「ハマる」こと。なにもかも忘れるくらいに没頭すること。それさえできれば、英単語の丸暗記だって楽しくなってくる。」
 
「やりがいとは「見つける」ものではなく、自らの手で「つくる」ものだ。そして、どんな仕事であっても、そこにやりがいを見出すことはできるのだ。」
 
「人は「仕事が好きだから、営業に没頭する」のではない。 順番は逆で、「営業に没頭したから、仕事が好きになる」のだ。」
 
自分に自信をつけること、自信をつけるために、経験を重ねること。
 
「仕事でも人生でも、もちろん異性関係でも、キョドってしまうのは、性格の問題ではない。ましてや、ルックスなど関係ないし、学歴や収入、社会的な地位とも関係ない。これはひとえに「経験」の問題なのである。」
 
ヒッチハイクによる小さな成功体験を積み重ねることで、僕はコンプレックスだらけの自分に自信を持てるようになっていった。」
 
 
 
前者だけではオタクだし、後者だけでは勘違いになりやすい。
もちろん先見の明もあるが、こういう意外と難しい「両立」が時代の寵児ホリエモンを生んだのだろう。
 
堀江は自分は天才ではないと言っているし、確かに前半で語られる生い立ちを読む限り天才タイプという感じではないが、
それでも頭は相当よい人だと思った。
学生が起業するのに、どこかから600万円も借りてくるなんてなかなかできないことである。
受験の話は、ぼくも地方都市の進学校に通っていただけに、あるあるwwとうなずけるところが多かった。
 
ホリエモンは逮捕されて、「ゼロになった」と語っているが、ぼくはそうは思わない。
 
確かに、自分で起こした会社を奪われ(まあ、上場した時点で会社は公のものだと思うが)、
資金もなくなり、離れていった人も多かったのだと思う。
 
しかし、あの頃発していた強烈なメッセージに共感し、賛同した人たちがいたからこそ、
出獄後もロケット事業とか、再生医療とか、たくさんの本を出すとかして活動できるのではないか。
 
いくら社会的なバッシングを受けようが、逮捕されようが、決して奪い取ることができない「人々の信頼」という財産を、
ホリエモンは築きあげたし、今も築いている最中なのだと思う。